~ストリートから世界へ羽ばたいたパンクの代名詞~
90年代以降のパンクシーンを語るうえで絶対に外せないバンド RANCID(ランシド)とは?
ストリート感満載のサウンド
とうとうこのバンドを紹介する時が来てしまいました…僕の洋楽ルーツの根幹であり、大袈裟ですが”生き方”にも影響を与えてもらったバンド、RANCID(ランシド)。音楽だけに留まらない彼らの魅力とは何でしょうか。
彼らの音楽を聴くと、まず耳に飛び込んでくるのは ザラついたギターリフと荒々しいボーカル。メロディアスでキャッチーなのに、どこか泥臭いストリートの匂いがする音は、一度聴いたら忘れられず、ガッチリと心を鷲掴みにされます。
「音楽はキレイにまとまらなくていいんだ」というメッセージを、サウンドそのもので体現しているのが彼らの魅力です。
スカやレゲエのエッセンス

単なるパンクバンドではなく、スカやレゲエのリズムを自在に取り入れるのもランシドの大きな特徴。
”スカパンク”という新たなジャンルを作ったパイオニアも彼らだと思ってますし、シンプルな3コードパンクにリズムの遊び心を加えたことで、世界中のリスナーを惹きつけてきました。
そう、パンクロックは「今ある気に入らないものを全部ぶっ壊しちゃえ!そして自分たちのやりたいようにやるんだ!」というマインドが大きいですが、彼らはその怖そうな見た目とは裏腹に(褒め言葉です(笑))、音楽的に非常にクリエイティブで革新的な一面があるのです。
DIY精神とストリートの絆
ランシドはデビュー以来、メジャーに媚びず、常にインディー精神とストリートへの忠誠心を持ち続けています。レコード会社に頼らず、自分たちで曲を作り、自分たちでレコードをプレスし、自分たちでライブを企画する。これが「DIY精神」。
彼らの歌詞には、友人や仲間との絆、移民や労働者への共感など、リアルなストリートの物語が詰まっているんです。(日本にはあまり馴染みのない部分もありますが)
この曲の歌詞の中にも、
If I fall back down, you’re gonna help me back up again
もし俺が倒れたらおまえが手を貸してくれるだろIf I fall back down, you’re gonna be my friend
もし俺が倒れてもおまえは俺の友達でいてくれるだろ
とありますが、「仲間を信頼し大切にする」「自分に忠実で、ありのままの自分でいい」など、単なる音楽のみに留まらず「生き方そのもの」が、僕も大きく魅了された部分ですし、多くのファンを惹きつける理由になっているのではないかと思います。
とにかくカッコよすぎる…
何がそんなに魅力的なのか?という所。
【1】言ってることがカッコイイ
パンクロッカーは自分たちを卑下するようなところがある。「俺らはどうせ社会のはみ出し者だ」的な。「見下されても、バカにされてもどうでもいい。ただ側にいてくれる仲間を大切にし、俺は俺らしくいる。常識なんかクソくらえだ。」こんな具合。
名盤 「…And Out Come the Wolves」のジャケット。哀愁と孤独感漂うティム。

まとめると、
①権威に媚びない②自分の意見を隠さない③仲間を大切にする④社会の矛盾に声を上げる
といった感じだけど、ただこれって多くの人が「本当はこう生きたいのに」と思う願望なんじゃないかと思います。なかなか日本だとこの通りに生きていくと暮らしにくいかと思うけど(笑)、心の中の「芯」として持っておく分には問題ないのかと。
【2】物理的にカッコイイ
ボロボロのグレッチのギターを低い位置で鳴らすティム。仲間から誕生日に贈られたSGのギターをずっと愛用するラーズ。パンクロックの象徴のモヒカン。本当に唯一無二の、彼らオンリーの世界観だと思います。

親しみやすいカリスマ
フロントマンの ティム・アームストロング のしゃがれ声と、ラーズ・フレデリクセン の鋭いシャウト。
この二人の対照的なボーカルが絡み合うことで、ランシドの曲はさらに厚みを増しています。
カリスマ的な存在なのに、常にストリート目線を忘れない”アニキ”的な姿勢がファンからも、同じミュージシャンからも愛されているポイントです。実際このPVにも以前紹介したグッドシャーロットのギタリスト、ベンジーが映っています。
まとめ
RANCIDは単なるパンクバンドではなく、ストリートとメロディを融合させた唯一無二の存在です。
聴けばすぐに拳を突き上げたくなるようなエネルギーが詰まっていて、しかも聴くたびに「仲間と一緒に生きていく大切さ」や「ありのままの自分でいい」ということを思い出させてくれます。
90年代のパンクロックをグリーン・デイと共に牽引したランシド。もしまだ聴いたことがない人は、ぜひ今日からプレイリストに加えてみてください。
きっとあなたの「ストリートアンセム」になるはずです!