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Ozzy Osbourne – Crazy Train

メタル界の“プリンス・オブ・ダークネス”オジーオズボーン!

ファンからもミュージシャンからも、こんなに愛されて見送られた人物がいただろうか。
まさに大団円を迎え、惜しまれつつも彼はつい2か月ほど前に天国へ旅立っていった。
ハードロックやヘヴィメタルを語る上では絶対に絶対に外せない存在――それが帝王・オジー・オズボーン
「プリンス・オブ・ダークネス(闇の王子)」「メタルの帝王」などと呼ばれ、ブラック・サバスのフロントマン、そして脱退後はソロ・アーティストとして、50年以上にわたりロック界に君臨し続けた、帝王の魅力をご紹介します。


1. ブラック・サバスで築いた“ヘヴィメタルの原点”

1969年、オジーが中心となり結成したブラック・サバスは、ブルースを基盤にした重厚なサウンドをさらにダークに進化させ、世界初の“ヘヴィメタル・バンド”と呼ばれる存在になりました。
バンド名をホラー映画からとったり、13日の金曜日にファーストアルバムを出したりと、おどろおどろしい“恐怖”を売り物にしたブラックサバスは次第に知名度を上げていきます。

彼の独特な声と不気味さを帯びた歌い方は、ロックをヘヴィメタルというジャンルに広げ、新たな1ページを開き、歴史を作ったと言っても過言ではありません。

僕のまわりの生粋のハードロックやヘヴィメタル好きに「好きなバンドを3つ挙げて」と聞くと、ほぼ間違いなくブラックサバスやオジーの名前が挙がります。

曲「Paranoid」は今なおメタルの代名詞的存在です。


2. ソロアーティストとしての圧倒的存在感

サバス脱退後、オジーはソロとして大成功を収めます。
ギタリストのランディ・ローズと共に作り上げた『ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説』(1980)は、メタル史に残る名盤で、この曲も収録。ランディのギターが縦横無尽に駆け巡る、このライブテイクは圧巻!

ランディのギターは高く評価され、「この時代のメタル・ギターの基本となった」とも言われるように。しかしまさにこれからというときに、ランディは小型飛行機の墜落事故で25歳という若さでこの世を去っています。(その際のオジーの焦燥ぶりは酷く、ドラッグやアルコールに溺れていたそう)
キャッチーなメロディとヘヴィなサウンドを兼ね備えた彼の楽曲は、メタルファンだけでなく幅広いリスナーを魅了していきます。


3. カリスマ的キャラクター

オジーの魅力は音楽だけではありませんね。
奇抜でユーモラス、時に破天荒な言動は、彼を“ロック界の生ける伝説”に押し上げました。

特に有名なエピソードとして、、、

コウモリ食いちぎり事件

オジーは初期のソロ時代のライヴで、ステージの上から生肉を投げつけるという奇妙なファンサービスを行っていた。観客はそれに答える形で、最初は猫や鳩の死体のレプリカをステージに投げ返していたが、それが次第にエスカレートし、ついには本物を投げつけるようになってしまう。ライヴ後の会場は客が持ち込んだ生肉と血の生臭い匂い、そして腐臭に包まれ主催者から大目玉を喰うこともしばしばだった。『BURRN!』でのインタビュー記事によると、ステージに生きたヤギが放たれていたことまであったという。ある時、ステージ上にコウモリの死骸が投げ込まれた。コウモリは致命的な感染症の一つ、狂犬病媒介者であるため、絶対に口に入れてはいけないが、オジーはこれをレプリカだと思い、首を噛み千切った。このパフォーマンスにより観客は大いに盛り上がり、翌日のローカル紙には「オジー、コウモリを喰う」という見出しで記事が書かれた。こうしてオジーは伝説的存在となったが、救急病院へ緊急搬送された後、数ヶ月間、毎日のように体中に注射を刺しながらツアーを続けた。現在ではアニメーションによる自身のプロモーションビデオなどで、この事件をネタとして扱っている。味は「塩辛かった」とオジー本人が語っている。

この事件簿から37年後、当時の思い出を記念した「コウモリのぬいぐるみ」をオフィシャルで限定発売した。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

実際のところ、ステージでは狂気的なパフォーマンスを見せつつ、私生活ではどこか憎めない“お茶目なおじさん”でもあります(笑)。MTVのリアリティ番組『オズボーンズ』で見せた家族との日常は、オジーの違う側面も垣間見られ、さらに多くのファンを惹きつけました。


4. 生き様そのものがロック

ドラッグやアルコール依存との壮絶な戦い、数々のスキャンダル……。
しかし、それを乗り越えて今なおステージに立ち続ける姿こそ、ロックの精神そのものです。
人間的な弱さもさらけ出しながら、それでも歌い続けるオジーに、多くのファンは“生きる勇気”をもらっているのです。

下記のライブを最後に行った17日後、彼はこの世を去ります。
自身が影響を与えた、名だたるアーティストたちに見送られて。

大団円

2025年2月、オリジナル・メンバーによるブラック・サバスとして、またソロとしてのキャリアを締めくくる最後のコンサートの開催を正式に発表。

同年7月5日、イギリス・バーミンガムのヴィラ・パークにて「Back to the Beginning」を開催。司会は俳優のジェイソン・モモアが担当し、サポートアクトにはアンスラックススティーブン・タイラートム・モレロ(イベントの音楽監督兼任)、ジェイク・E・リーヌーノ・ベッテンコートサミー・ヘイガールディ・サーゾチャド・スミスロニー・ウッドヤングブラッドトビアス・フォージガンズ・アンド・ローゼズパンテラトゥールラム・オブ・ゴッドゴジラマストドンスレイヤーメタリカなど、ヘヴィメタル界、ロック界を代表するミュージシャン、バンドが次々とステージに登場し、ザック・ワイルド擁するオジー・オズボーン・バンド、ブラック・サバスによるパフォーマンスでミュージシャンとしてのキャリアを終えた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)


まとめ

オジー・オズボーンの魅力は、

  • メタルの基礎を築いた功績
  • ソロでも輝きを放つ楽曲群
  • 独特で愛されるキャラクター
  • 逆境を乗り越える生き様

にあります。
彼が存在しなければ、今のメタルシーンはまったく違うものになっていたでしょう。いや、本当に。
まさに“永遠のロックアイコン”――それがオジー・オズボーンです。

ABOUT ME
しまひろ
日本生まれ湖国出身現在41歳。 元音楽学校出身のベーシスト、ライブ好き。 “あの頃、僕らは若かった” 夢中になった、あの時代の洋楽(主にロック)を現代に再普及すべく執筆中。